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第23回『Case1-4:グランドホテル秋月館(仮称)』

秋月館様とのおつきあいも、今年で早3年目を迎えます。

2020年、新型コロナウイルスの世界的大流行が長期化し、終息の兆しが見えない中、サポート依頼を受けた我々がまず提案したのは、OTAのテコ入れを軸とした、WEB販売を強化することでした。

 

皆様、覚えておいででしょうか。「楽天トラベル」の前身「旅の窓口」がスタートしたのは1996年、「じゃらんnet」開設は2000年のこと。以来、旅行、宿泊業界でOTAの販売シェアが右肩上がりの成長を続けていることは言わずもがな…とはいえ、

・リアルエージェントとの住み分け

・専任担当者の不在

・在庫管理の煩雑さ

・手数料や、値引き、クーポン等のコスト

等々を理由に、機会損失状態の宿泊施設様がまだまだいらっしゃるのは事実で、当時の秋月館様も、失礼ながらそのうちの一社でした。

 

「NBSチェックリスト200」に照らし合わせて、ひとつひとつ未対応だった部分をつぶしていきつつ、腰の引けていた特集企画への参画やクーポン利用、時には広告も活用し、その結果、OTAトータルの売上は

・2021年度:対前年比226%

・2022年度:対前年比155%

2020~2022年度の2年間で、350%にまで達しました。

いやいや、いくら売り上げが上がっても、大幅な値引きをしたうえで手数料を取られ、広告まで売っていたのでは利益が出ないではないか…というお声が聞こえてきそうですが、OTAにおける「コスト」の考え方は、次章で改めて検証してみましょう。

加えて同時に、「NBSチェックリスト200」[Check No37] 手数料率の低い自社サイトへの誘導はできているかのため、SNSの更なる充実や、ホテル比較サイトの活用にも継続的に取り組んでいます。

 

そういえば先日、オリコンの「ホテル比較サイト」満足度調査で、「Googleトラベル」が初の首位を獲得したというニュースを目にしました。「Googleトラベル」がリンクを無料化して2年になりますが、それもカスタマーからの支持につながっているのでしょうか(確かにマップ画面は見やすいですよね)。連覇を阻まれた2位の「トラベルコ」以下、7位まで比較的僅差ですし、基本無料だったり低コストだったりと、Googleに限らず、手間は掛かるが損はないと思いますので、できるだけ広くカバーしておきたいサービスです。

 

あと、進行中だったスタッフのポジションチェンジ計画は、ひとまず、部署や勤務歴の垣根を超えたミーティングから始めてみようということで、定期的にプチ会議を実施しています。他部署からの助言や若手の斬新なアイデアを、経験豊富なスタッフがブラッシュアップして新商品に作り上げ、そのプランがいくら売れたか、といった実績をスタッフ全員に共有する。これが、各人のモチベーションUPにつながると同時に、結果の良し悪しを受けて、練り直し、次につなげるという、理想的な『P(Plan)D(Do)C(Check)A(Action)』サイクルを完成させつつあるのです。

更に、昨今の人手不足を補うべく、人員配置や清掃手順の見直し等にも一緒に取り組ませていただき、まさに我々の目指す「伴走型」のサポートを、今日も続けさせていただいています。

 

ケーススタディ「秋月館」編はここで一旦中締めとさせていただき、次回からは、とあるビジネスホテル様の事例をもとに、OTA販売に掛かるコストや、チェーン店舗ならではの課題点等をご紹介して参りたいと思います。

 

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